一人心に別れを秘め
ひとり こころ に わかれ を ひめ
Hitori Kokoro ni Wakare wo Hime
何も知らずに眠る貴方の
なにも しらず に ねむる あなた の
Nanimo Shirazu ni Nemuru Anata no
部屋の灯りに眼をやれば
へや の あかり に め をやれば
Heya no Akari ni Me woyareba
憧憬に旅立つ足がすくむ
どうけい に たびだつ あし がすくむ
Doukei ni Tabidatsu Ashi gasukumu
私の二十歳の祝いに貴方が庭に立たずみ
わたし の はたち の いわい に あなた が にわ に たた ずみ
Watashi no Hatachi no Iwai ni Anata ga Niwa ni Tata zumi
静かにやせたその腕で土をかけた青年の樹よ
しずか にやせたその うで で つち をかけた せいねん の き よ
Shizuka niyasetasono Ude de Tsuchi wokaketa Seinen no Ki yo
今をのがせば夢などに若さをかける時は二度とない
いま をのがせば ゆめ などに わかさ をかける とき は にど とない
Ima wonogaseba Yume nadoni Wakasa wokakeru Toki ha Nido tonai
桜ひとひら雨に散る
さくら ひとひら あめ に ちる
Sakura hitohira Ame ni Chiru
冬まだ明けぬ春に散る
ふゆ まだ あけ ぬ はる に ちる
Fuyu mada Ake nu Haru ni Chiru
落ちたひとひら風に舞い
おち たひとひら かぜ に まい
Ochi tahitohira Kaze ni Mai
何処の土に埋もれ終るやら
どこ の つち に うも れ おわる やら
Doko no Tsuchi ni Umo re Owaru yara
私の二十歳の祝いに貴方が庭に立たずみ
わたし の はたち の いわい に あなた が にわ に たた ずみ
Watashi no Hatachi no Iwai ni Anata ga Niwa ni Tata zumi
静かにやせたその腕で土をかけた青年の樹よ
しずか にやせたその うで で つち をかけた せいねん の き よ
Shizuka niyasetasono Ude de Tsuchi wokaketa Seinen no Ki yo
老いた二人の行く先を緑をやさしく包んでおくれ
おい た ふたり の ゆくさき を みどり をやさしく つつん でおくれ
Oi ta Futari no Yukusaki wo Midori woyasashiku Tsutsun deokure
私の二十歳の祝いにと貴方が庭に立たずみ
わたし の はたち の いわい にと あなた が にわ に たた ずみ
Watashi no Hatachi no Iwai nito Anata ga Niwa ni Tata zumi
静かにやせたその腕で土をかけた青年の樹は
しずか にやせたその うで で つち をかけた せいねん の き は
Shizuka niyasetasono Ude de Tsuchi wokaketa Seinen no Ki ha
青葉繁(あおばしげ)りてなお悲し
あおば はん ( あおばしげ ) りてなお かなし
Aoba Han ( aobashige ) ritenao Kanashi
わびることさえなく なお悲し
わびることさえなく なお かなし
wabirukotosaenaku nao Kanashi